過疎化のため2017年に閉校した旧甲賀市立山内小(滋賀県甲賀市土山町黒川)で養殖したバナメイエビを使った天ぷらそばが、旧山内小学区の地域イベントで振る舞われ、地元住民らが舌鼓を打った。
同小は閉校後、陸上養殖事業を展開するアクアステージ(草津市若草1)が、校舎や体育館を利用して琵琶湖の固有種ビワマスやトラフグなど数種の魚介類を育成。中でもバナメイエビは生育期間が約3カ月と短く需要も高いため、昨年から量産化に入った。
今回は地元住民に養殖の成果を知ってもらおうと天ぷらそば200食を用意。調理した平子明美さん(58)は山内学区出身で、地域の人が集まる場所を作りたいと、19年から閉園した子ども園でコミュニティーカフェ「ミハルカス」を運営している。「小学校でエビの養殖が始まったのは知っていたが、中の様子やエビは見たことがなかった。天ぷらを食べてもらえば、養殖事業の理解が進んで地域にもっと溶け込めるはずと協力した」と話した。
天ぷらにしたエビは1匹体長約15センチ、約20グラムで、子供から高齢者までおいしそうに頰張った。母親と一緒に来た市立土山小2年の首藤星良さん(8)は「エビがプリプリでおいしい。今度は友達と一緒に食べたい」と笑顔だった。
近くにある道の駅「あいの土山」は、来年4月のリニューアルオープンを目指して一時休業して店舗を新築しており、市政策推進課では「土山の新名物として『山育ちのエビ』を道の駅で売り出したい」と期待している。【礒野健一】
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