新電力のLooop(ループ、東京・台東)は1日、電気の市場価格に合わせて充放電する持ち運び可能な家庭向け電源の試験販売を始めたと発表した。テレビや冷蔵庫など家電とつないで使用する。市場価格が安い昼間に電気をためて、電気代を抑えられる。1台導入することで一般的な家庭の電気代を年間数千円安くできるとみている。
ポータブル電源を手掛ける中国の正浩創新科技(エコフロー)が開発した容量1キロワット時の電源「DELTA2」に、充放電システムを開発するスタートアップのYanekara(千葉県柏市)の制御ソフトウエアを載せた。両社と協力して100台を試験販売する。価格は通常の電源と同じ14万3000円。
電源はクラウドで遠隔操作する。電気代が日々の市場価格に連動するループのプランを使えば、1台導入することで電気代を年間数千円安くできると試算した。キャンプなど屋外でも使える。
電気の需要と価格が高い時間を避ける取り組みは「ピークシフト」と呼ばれる。日本では再生可能エネルギーの普及で電気の需給バランスが乱れ、再生エネを一時的に止める「出力制御」が頻発している。ピークシフトによって需給バランスを整え、再生エネの無駄を減らすことが期待される。
ポータブル電源は太陽光パネルに併設する家庭用蓄電池と比べ価格が安く、工事も不要で集合住宅にも置きやすい。エコフローの遠山豊アカウントマネージャーは1日に開いた記者会見で「今後は(エコフロー)の全てのポータブル電源に対応できるようにしたい」と話した。
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