鹿島は中規模オフィスビルの建設から解体までの過程で排出される二酸化炭素(CO2)量を35%削減したと発表した。生産過程におけるCO2排出量が少ないコンクリートを使ったほか、部材を運ぶフォークリフトには廃食油由来の燃料を採用するなど、同社が培った脱炭素のノウハウを組み合わせた。
同社が手がける2025年10月完成予定のオフィスビル「名古屋伏見Kフロンティア」(名古屋市)で実証した。ビルの建て替えを60年ごとと仮定して、建築資材のほか設備の修繕に使う部品などの生産・流通過程で排出されるCO2量を算出した。一般的な中規模オフィスビルの建築から解体までにかかるCO2排出量に比べて35%抑えた。
修繕の頻度が高い床材でCO2排出量が少ない素材に切り替えるなどして、ビルの完成後にかかる排出量も抑えた。排出量の算出には、同社が開発した人工知能(AI)を活用して建築と維持にかかるCO2排出量を算出できるシステム「カーボンフットスコープ」を使った。建築部材のほか、空調機器やエレベーターの部品などにかかる排出量も算定できる。
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