液卵大手のイフジ産業は5日、2025年3月期の連結純利益が前期比8%増の17億円になる見通しだと上方修正した。従来予想から3億5500万円増え、6期連続の最高益となる。同社は今後の鶏卵相場について、秋以降に外食・食品業界で需要が高まっており、鳥インフルエンザ流行の懸念が拭えないことから、高止まりするとみている。
あわせて25年3月期末の配当を従来予想から2円増やし、1株27円にすると発表した。4〜9月期の配当と合わせた年間配当は53円となり、前期比で5円上積みする。
25年3月期の売上高は1%増の246億円、営業利益は45%増の25億円を見込む。それぞれ従来予想から40億円と5億8900万円引き上げた。主力製品である液卵の販売価格は鶏卵相場に連動する。
鶏卵相場を巡っては、22〜23年に鳥インフルエンザの流行による供給不足で例年の約1.5倍に高騰。24年に入ると食品メーカーがあらかじめ使用量を抑えたことで、相場は落ち着いていた。イフジによると、養鶏農家は需要に合わせて供給量を減らし始めていたという。
しかし、9月以降の相場は再び上昇に転じている。外食企業の「月見」など卵を使ったメニューの大々的なキャンペーンが復活したことや、食品メーカーの使用量が回復していることによる需要増が原因だ。藤井宗徳社長は「需給のギャップは当面続くと見ている」と話す。鳥インフルエンザの再流行も懸念している。
同日発表した24年4〜9月期の連結決算は、純利益が前年同期から微増の10億円だった。4〜9月期としては2期連続で最高益を更新した。売上高は16%減の110億円。鶏卵相場が下落して販売単価が下がった一方、販売数量が過去最高となり原料の仕入れ価格も大きく低下したため利益率が高まった。
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