食品製造小売りのサンクゼールは5日、2025年3月期の連結純利益が前期比81%減の1億円になる見通しだと発表した。6%増の8億円とした従来予想から下方修正し、減益となる。直営店などに比べて利益率の高い大手小売りチェーン向けの販売が苦戦している。冷凍食品中心の新業態閉店による1億円の減損損失も計上する。
売上高は微増の192億円、営業利益は53%減の6億円、経常利益は58%減の5億円へとそれぞれ下方修正した。年間配当予想は35円(前期は35円)と従来予想を据え置く。売り上げ全体の2割ほどを占めるホールセールが低調。大手小売りチェーンでこれまで人気だったジャムなどの定番商品が販売不振となっている。
直営、FCの店舗分野では利益率が低下した。久世福商店やサンクゼールでは23年12月以降、客数や購入点数の改善を狙い値下げを実施した。販売数を増やして、自社工場の稼働率を上げ利益を守る計画だった。
ただ原材料価格が高騰し、利益確保が難しくなった。足元では再び値上げしており、価格戦略が追い付かない状況となっている。
同日発表した24年4〜9月期の連結決算は、純利益が145万円(前年同期は5億円)だった。冷食新業態の閉店に伴う減損損失が響いた。
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