三菱電機照明は6日、従来に比べ取り付けやすくした業務用発光ダイオード(LED)照明器具を発売すると発表した。構造を見直して電動ドライバー1つで設置を完了できるようにし、作業時間を従来製品から2割削減できる。政府は2030年までに全ての照明をLEDに切り替える目標を掲げている。蛍光灯からの取り換え需要を見込む。
工場や体育館などの天井が高い施設向けのLED照明「GTシリーズ」を25年春に発売する。従来製品は照明と天井との間に電動ドライバーを入れるスペースがなかったため、手作業でボルトを締める必要があった。設計を見直したことで電動ドライバーですべてのボルトを締められるようにした。価格は一般的な機種で18万7700円。シリーズ全体で年間20万台の販売を計画する。
23年11月に開かれた水銀を規制する条約の締約国会議で、一般照明用の蛍光灯の生産と輸出入が27年末で禁止されることが決まった。政府は30年までに全ての照明をLEDに切り替える目標を掲げるが、日本照明工業会(JLMA)によると24年8月時点での既設照明のLED化率は61%にとどまっている。
蛍光灯をLED照明に切り替えるにはランプだけでなく、周辺機器の交換も必要なことが多く、工事の手間が切り替えの障壁の一つとされている。三菱電機照明の平国悟社長は「省エネや省廃棄といった環境性にも配慮し、施工しやすさを前面に押し出した製品になっている」と意気込んだ。
そのほか、倉庫や店舗など中規模施設向けの照明器具の制御システムも25年春に発売する。タブレット端末で明るさを調節したり、電力消費量のデータや点灯時間を管理したりする。1台のタブレット端末で最大2500台の照明器具を制御する。25年度内に同社製品ユーザーのうち2割への導入を目指す。
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