JR東日本は6日、首都圏を走る在来線の主要線区でワンマン運転を始めると発表した。2025年春に常磐線と南武線で導入し、30年ごろまでに山手線や京浜東北線にも広げる。車掌がいなくても安全に運行できる体制を整えて人手不足に備える。
まず各駅停車で走る常磐線の綾瀬―取手間、南武線の川崎―立川間で始める。26年春には横浜・根岸線の八王子―大船間で取り入れる。その後は山手線や京浜東北線のほか、各駅停車の中央・総武線、埼京・川越線などにも導入する。
運転士が駅での乗り降り状況を確認できるモニター設備や、異常時に外部の指令室から車内放送を流せる機能などを整える。運転士の負担を減らせるよう、自動運転のための専用システムや定位置での列車停止を支援する装置の開発も進める。
これまでJR東は地方路線でワンマン運転をしてきた。労働人口の減少に伴い、都市部でも人手不足が深刻化しつつある。ワンマン運転を広げることで、現状は同社管内で約4500人を必要とする車掌業務を3400人程度で対応できるようにする。
JR東の喜勢陽一社長は6日の記者会見で「様々な技術的知見を集めて運行の安全レベルをさらに高める」としたうえで「社員をリストラするのではなく(鉄道以外も含めて)新たな価値を生み出す創造的な仕事にもシフトしてもらう」と話した。
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