「ドリンク スマイル」活動の普及のため東京ミッドタウン日比谷に開設された期間限定のイベントスペース=東京都千代田区で2024年11月6日午前11時14分、加藤結花撮影

 サントリーは6日、適正飲酒の大切さとお酒の魅力を伝える活動「ドリンク スマイル」を開始すると発表した。体質などを考慮した「適量」の飲酒の楽しさを伝え、持続的な酒類文化を構築する狙い。2025~30年に企業や自治体、大学を対象にした適正飲酒のセミナーを通じて20万人に訴求する目標を掲げた。

 セミナーでは、同社の山崎蒸溜(じょうりゅう)所(大阪府)のVR(仮想現実)見学など体験型のプログラムを企画。アルコールの健康被害や若者のアルコール離れが指摘される中、適正飲酒の知識の普及とともに、改めてお酒の魅力をアピールする。

 東京都内で記者会見したサントリーの鳥井信宏社長は「適正飲酒の啓発は酒類メーカーにとって共通の課題だ」として、他社と連携した啓発活動にも前向きな姿勢を示した。

 適正飲酒を巡っては、飲める人も飲めない人も楽しめる多様性のある飲み方「スマートドリンキング(スマドリ)」を提唱するアサヒビールが9月、専門部署「Responsible Drinking部」を新設した。キリンホールディングスも、この30年ほどで女性の社会進出などを背景に30~70代の幅広い世代で女性の飲酒率が高まったことに着目。女性の飲酒リスクをテーマにしたセミナーの開催を9月下旬に発表するなど、各社の取り組みが活発化している。【加藤結花】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。