JR東日本新潟支社は、2024年度末の開業を目指して新設工事が進むJR越後線の新駅「上所(かみところ)駅」(新潟市中央区下所島)の現場見学会を開催した。10月27日の見学会には地元の上所地区などから約100人が参加。工事の用に足場が組まれたホームに入り、JRの担当者から説明を受けた。高校生がデザインした駅名標の設置も決まり、開業に向けて期待が高まっている。
新駅は新潟―白山駅間(約3キロ)のほぼ中間地点に建設中。周囲に新潟南高や新潟署、新潟ユニゾンプラザなどがある信濃川に近い市街地だが、これまで駅がなかったことから新潟市が設置を要望。市がホームや駅などの整備費を全額負担する「請願駅」として建設が決まった。新潟支社管内での新駅開業は、05年の越後線内野西が丘駅(新潟市西区)以来となる。
駅は2本の線路をホームが挟む「相対式」と呼ばれる形で、ホームの長さ125メートルは6両編成に対応する。駅員が常駐しない無人駅となる見通しで、駅舎には簡易スイカ改札機や乗車駅証明発行機などが設置され、既存の地下道と直結するエレベーターも整備される計画だ。
新潟支社によると、新駅は23年6月から工事が始まり、現在はホームの設置工事がおおむね終わり、全体で7~8割程度が完了している。24年度末の開業を目指し、屋根や外壁などの工事を進めている。JR東の栗原仁新潟工事区長は「新駅の開業が鉄道を利用するきっかけになってほしい」と積極的な利用を呼びかけた。
上所地区は新潟駅から約1・5キロ西にあり、これまでは駅がなかったため、新潟駅にはバスやタクシーを利用する必要があった。見学会に参加した小池良一さん(63)は「タクシーを使わなくても、5分で新潟駅まで行けるようになる」と期待を寄せた。
地元の新潟南高生が担当した駅舎駅名標やベンチなどの設備デザインもお披露目された。2年生5人が探究活動として担当し、JR東や地元住民らと連携しながら制作した。駅名標は水のせせらぎを意識し、青や白で信濃川の流れを表現。駅名の周りには雪の結晶をちりばめた。ホーム上2カ所に設置するベンチは、信濃川の流れや波をイメージさせる新潟らしいデザインに決めた。
制作者の一人、向井和輝さん(16)は発表会で「プロジェクトに関わることができ、とてもうれしい。利用者に愛されるデザインになるよう頑張りました」と振り返った。【神崎修一】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。