ローランドは7日、2024年12月期の連結純利益が前期比18%減の67億円になる見通しだと発表した。従来予想から18億円下方修正し、一転減益になる。過剰在庫の解消のため値引き販売した結果、利益率が低下する。競合他社の新製品に押され主力の電子ドラムの販売が想定を下回る。期末配当は1株85円の従来予想を据え置いた。
売上高は前期比2%減の999億円の見通しで従来予想を据え置いた。24年7〜9月期の製品別売上高は管打楽器は前年同期比13%減、ギター関連機器は24%減だった。今秋に発売した電子ドラムのフラッグシップの新製品で巻き返しを図る。
低価格帯の電子ピアノは、新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要の反動で市中在庫が過剰だった。過剰在庫は上半期に解消し、足元では鍵盤楽器の売上高が回復傾向にあるという。
楽器業界全体では中国の景気低迷や教育政策の変更を受け、低価格帯のピアノの在庫過多が続きメーカー各社は減産や値下げに動く。ローランドの袴田裕一執行役員は「電子ピアノのエントリーモデルは差別化が難しく、価格競争が起こりやすい」との見通しを話した。
同日発表した24年1〜9月期の連結決算は売上高が前年同期比3%減の696億円、純利益は26%減の42億円だった。
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