決算について説明する三洋化成工業の樋口章憲社長(12日、京都市)

三洋化成工業が12日発表した2024年4〜9月期の連結決算は純利益が前年同期比79%減の9億円だった。中国で紙おむつなどに使う高吸水性樹脂(SAP)を生産する子会社を現地企業に売却したことなどで27億円の特別損失を計上した。三洋化成は苦戦のSAP事業から撤退し、高付加価値品に集中する構造改革を進める。

売上高は3%減の770億円、営業利益は2.2倍の44億円だった。記者会見した西村健一取締役は「前年同期に赤字だったSAP事業からの撤退などで収益性は改善している」と話した。SAP撤退を巡る特別損失は今後も発生する可能性があるが、大きな金額は見込んでいないと説明した。

新たな柱として育てる創傷治療用の人工たんぱく質「シルクエラスチン」については4〜9月期に初めてライセンス収入を計上した。金額は明らかにしていない。国内での独占販売権は科研製薬に与えており、早ければ26年3月期の実用化を目指す。

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