三井住友建設は12日、2025年3月期の連結最終損益が80億円の赤字(前期は40億円の黒字)になる見通しだと発表した。従来予想(12%増の45億円の黒字)から一転、2年ぶりの最終赤字になる。複数の損失計上が続く国内の大型建築工事で、資材価格や人件費が上がったほか工事に携わる技術者を増やしたことなどで131億円の損失を計上する。
業績悪化の責任をとり、役員報酬を減らす。代表取締役社長で月額報酬のうち30%、社外取締役を除く取締役で20%、4カ月間減額する。
売上高は前期比5%減の4550億円と従来予想から据え置いたものの、営業利益は88%減の10億円と115億円引き下げた。今回損失を出した工事ではこれまで部材の再製作などが生じ、24年3月期までの3年間で計600億円超の損失を計上している。
9月に柱やはりなどの主要な構造体の工事をほぼ終えており、同社は「(25年8月に予定する)完成までの資材価格や労務費の高騰などあらゆる可能性を加味して損失を計上した。竣工までのコストはおおむね確定している」と説明した。
同日、先行きの業績改善を訴えるため、26年3月期以降3年分の業績見通しを示した。26年3月期に純利益75億円、28年3月期に110億円と見込む。25年3月期の配当は年14円と前期と同額を見込み、従来予想を据え置いた。
24年4〜9月期の連結決算は売上高が前年同期比5%減の2182億円、最終損益が145億円の赤字(前年同期は51億円の黒字)だった。
【関連記事】
- ・三井住友建設、3期ぶり黒字転換 24年3月期
- ・三井住友建設、多額の工事損失「情報共有が不十分」
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。