米食品スーパーの店頭に並ぶ米タイソン・フーズの加工食品=ロイター

【ニューヨーク=西邨紘子】米食肉大手タイソン・フーズが12日発表した2024年7〜9月期決算は、売上高が前年同期と比べ2%増の135億6500万ドル(約2兆1000億円)、最終損益が3億5700万ドルの黒字(前年同期は4億5000万ドルの赤字)だった。飼料価格の下落やリストラ効果で鳥肉事業の収益率が改善した。

特殊要因を除いた1株利益は0.92ドルで、市場の予想(0.69ドル程度)を上回った。前年同期は1株当たり1.17ドルの赤字だった。

事業別の売上高は牛肉が前年同期と比べ5%増えた一方、鳥肉は同2%増えた。営業利益(特殊要因を除く)を見ると牛肉が1%減、鳥肉は8%増だった。

鳥肉事業はコスト削減努力に加え、穀物価格の下落によるコスト負担軽減が利幅拡大に追い風となった。一方、牛肉は干ばつによる干し草不足を受けて米農家が飼育頭数を絞り込む中、コスト増が収益の重荷となっている。

ドニー・キング最高経営責任者(CEO)は牛肉事業について、これまでのところ畜産農家が牛の飼育頭数を増やそうとする「明確な兆候がない」と指摘。当面、厳しい事業環境が続くとの見方を示した。

タイソンが同日発表した24年9月通期業績は、売上高が前年同期と比べ1%増の533億900万ドル、最終損益は8億ドルの黒字(前期は6億4800万ドルの赤字)だった。

25年9月通期の見通しは、売上高で前期比1%減から横ばいと予想した。営業利益(特殊要因調整後)の見通し18億〜22億ドルのうち、10億〜12億ドルは鳥肉事業が稼ぐと見込んでいる。

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