イトーヨーカドーのブラックフライデーのセール会場(13日、東京都大田区)

イトーヨーカ堂は13日、米国発祥の大型セール「ブラックフライデー」を始めた。期間は29日までの17日間で同社としては過去最長で、対象商品は昨年比1.5倍の358品と過去最大となる。最大5割値引くほか、タマネギなどは大容量の商品をそろえる。物価高で消費者の節約志向は続いており、割安感を打ち出して来店意欲を高める。

ヨーカ堂は2017年にブラックフライデーを始め、今年で8回目の開催となる。全国106店舗で実施し、電子商取引(EC)サイトでも対象商品を購入できる。実施期間は17日間と昨年より5日間長い。

今年は「3週連続お宝お買い物リレー」をテーマに据え、週替わりでお買い得品や関連企画を用意する。税別196円や960円の「96(クロ)プライス企画」では、マグロの切り盛りやツナ缶詰の食べ比べセットなどを取り扱う。

「物価高で食品や日用品など生活必需品が値上がりしており、ブラックフライデーに対する期待感は例年以上に高い」(加藤聖子執行役員)として、食品の対象品数を昨年から2.5倍に増やした。ジャガイモやタマネギ、スイーツなどは大容量品を販売。一方で、国産黒毛和牛など高単価商品も「プチぜいたく品」として用意した。

今年は昨年と比べ単価が比較的高い衣料品の割合を減らしたものの、「ブラックフライデーの売上高は前年比5%増を見込む」(加藤氏)。昨年と同じ期間で比べても前年実績を上回る水準とし、食品の売上高は倍増を計画する。

ブラックフライデーは米国で11月末の感謝祭翌日の金曜日に設定される特売日を示す。日本では16年ごろから始める企業が出始め、認知度は年々高まっている。ボーナスの支給前に控えめとなる消費を喚起する効果などが期待でき、12月の年末商戦の前哨戦とも位置付けられる。

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