長寿の良い面に目を向けてもらうのが狙いだ(「100 年人生ゲーム」のパッケージ)

博報堂のシンクタンクである100年生活者研究所とタカラトミーは「100 年人生ゲーム」を共同開発した。お金を集めて億万長者を目指す通常の人生ゲームと異なり、幸福を点数化したポイントを集める。日本では長生きしたいと感じられている人が少ないことを受け、長寿の良い面に目を向けてもらうのが狙いだ。

23日にタカラトミーのオンラインショップで発売する。ゴールである「100歳の誕生日」までに、幸福度を示すウェルビーイングポイントをもっとも集めた人が勝ちとなる。ゲームのマスやカードに書き込まれたエピソードは実際の生活者の体験談から作成した。

価格は3960円。ルーレットなどが付属していないため、遊ぶには2023年4月発売の「人生ゲーム」が必要だ。

平均寿命は延びているが、日本では長生きを前向きに捉える人が少ない。100年生活者研究所が米国や中国、フィンランドなど6か国を対象に実施した調査では、日本のみ希望寿命(81.1歳)が平均寿命を3.2歳下回った。「100歳まで生きたい」と考える人も米国や中国では6割を超えているのに対し、日本は28.4%にとどまった。

100年人生ゲームの体験会で説明する100年生活者研究所の田中卓副所長(13日、東京都豊島区)

発売に先駆けて13日に東京・巣鴨で開かれた体験会に出席した100年生活者研究所の田中卓副所長は「長くなる人生を前向きに生きるために、年齢を重ねても良いことはけっこう多いと楽しみながら学んでほしい」と話す。

今後は100年人生ゲームを使った企業向けの研修プログラムも提供する予定。「価値観や信念が合っているかどうかで仕事の成果や満足度は変わる。特に人生の後半に差し掛かる30〜50歳代に遊んでほしい」(田中副所長)とアピールした。

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