全国の図書館へのオーディオブック導入を進める

本の内容を音声で聴く「オーディオブック」を手がけるオトバンク(東京・文京)が全国の公共図書館へのオーディオブック導入を進めている。埼玉県所沢市など4自治体の図書館が採用した。視覚障害がある人や図書館のデジタルトランスフォーメーション(DX)需要に対応する。

3月に所沢市と鳥取市、4月に千葉県流山市と富山県南砺市の全公共図書館に導入した。これまでに導入された自治体と合わせると、全国18自治体、延べ約618万人がオーディオブックを利用できるようになった。

利用者は京セラコミュニケーションシステム(京都市)の公共図書館システム「ELCIELO」を使い、書籍と同様にオーディオブックを検索する。オンラインで使えるため、スマートフォンや自宅のパソコンなどから利用できる。新型コロナウイルス禍で増えた非来館型の利用に対応する。

4月1日に改正障害者差別解消法が施行されるなど、「読書バリアフリー」が注目されている。オーディオブックはナレーターや声優が朗読した本の音声をスマホなどで聴くことができる。視覚障害を持つ人や視力に悩みを抱える高齢者からの需要が高まっている。

オトバンクは2020年9月に公共図書館へのサービス提供を始めた。導入自治体は年々増加しており、現在は全国18自治体90図書館に導入されている。公共図書館でのオーディオブックの累計再生時間は24年3月までに1万9000時間となり、今後も増加が見込まれる。

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