Jパワーは30日、オマーンで、製造時に二酸化炭素(CO2)を排出しない「グリーンアンモニア」を製造するプロジェクトを落札したと発表した。欧州のエネルギー企業と共同で2030年までに年間100万トンの生産能力を持つプラントや発電設備を建設する。Jパワーは脱炭素に向けてアンモニアを火力発電の燃料に活用する方針を掲げており、同社として初めてグリーンアンモニアの製造事業に参画する。
英ヤムナ社、フランス電力公社(EDF)と共同で、オマーンの国営エネルギー企業の子企業が公募したプロジェクトを落札した。オマーン南部の土地に約4.5ギガワットの風力・太陽光発電所や蓄電池を整備し、水を電気分解して生まれる水素をアンモニアに転換する。総事業費は非開示だが、1兆円規模に上るとみられる。製造した水素は輸出も検討する。
今後は開発地の天候データなどを調査し、最終的な投資判断をする。Jパワーは電源構成の4割をCO2排出量の多い石炭火力発電が占めている。石炭火力への批判が高まるなか、アンモニアとの混焼など脱炭素を進める方針で、将来の調達に向けた布石を打つ。
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