位置情報を共有することでやりとりができる(画像はアプリのイメージ図)

中古車情報サービスのエレウノ(東京・目黒)は中古車売買の仲介サービスを始める。売り手は車の位置情報を公開することで近くにいる買い取り業者や個人と直接やり取りできる。中間流通を省いて少ないコストで取引できるようにし、中古車の売買をしやすくする。

中古車売買の仲介アプリ「ストリマ」を15日までに公開した。出品者は走行距離や年式などの車の情報を入力し、位置情報を公開する。買い手は位置情報を基に近くの出品者を見つけ、現車を直接確認したり、チャットでやり取りして商談できる。

プライバシーを気にする利用者に配慮し、自宅などの住所特定を防げるように位置情報の公開エリアを制限できる。

買い手は車両の状態を確認して気に入れば、チャット上でオファーを出し、出品者の承諾を得て売買を成立させる。個人間での売買の場合、金銭の授受はエレウノが仲介する。

エレウノは売買が成立した際、成果報酬として手数料を徴収する。個人間売買では売り手と買い手の双方から手数料をもらい、業者と個人の売買の場合、業者のみ手数料を徴収する。

手数料は個人間売買の場合、2万円、売り手あるいは買い手が法人の場合、法人から3万円とした。法人のみ月額基本料金1万円も必要となる。

全国でサービスを展開し、25年中に1万台の出品を目指す。将来的には個人間売買の普及を狙い、年間数十万台の出品を見込む。まずは相場より高い価格での売買の様子をSNSなどで発信し、売り手の確保を目指す。

ほとんどの中古車は現物の状態を見て取引される。車のリアルタイムの位置情報を共有することで、現車確認までの物理的な距離や取引までの手間暇を少なくした。

近くの売り手と買い手をつなぐことで流通コストを最小化する狙いもある。中古車はオークションを経由して売買されることが多く、中間流通のコストが買い取り価格を押し下げていた。直接の売買によって売り手は相場よりも高く売れ、買い手は相場よりも安く買える。

取引の活性化に向け、中古車業者も参加できる仕組みにした。従来の仲介サービスでは個人間の取引が活性化せず、出品数が増えないという課題があった。

買い手に個人だけでなく業者も加え、出品したらすぐに近くの中古車業者から商談が入りやすい環境にし、成約率の向上につなげる。100店舗以上の買い取り業者がサービスに参加する予定だ。中古車業者は順次、広げていく。

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