記者会見する生命保険協会の永島英器会長(15日、東京都千代田区)

生命保険協会は15日、代理店への出向者による契約者情報の漏洩をめぐり、18の保険会社と34の代理店で延べ約42万2000件が漏洩していたと明らかにした。生保協の永島英器会長(明治安田生命保険社長)は「顧客と関係者にご心配ご迷惑をおかけし深くおわび申し上げる」と述べた。

既に明らかになっている漏洩事案では、契約者情報の二次利用や営業目的での利用は判明していないという。生保協は13日付で加盟社に、出向者による不適切な情報取得の再発防止や契約者情報の取り扱いの徹底を要請した。今後の対応については「最終報告を踏まえ、必要な対応を検討していきたい」(永島氏)としている。

金融庁と生保協は8月下旬から情報漏洩の実態把握を進めてきた。今月8日からはこれまで主に対象にしていた個人契約に加え、法人契約でも契約者情報の不正取得がなかったかを調べている。明治安田生命では個人との契約で約8000件の漏洩が判明している。

同様の問題が先に起きた損害保険会社では、漏洩の規模が計250万件に及んだ。契約を自社に乗り換えさせる目的で流用していたケースがあった。金融庁は損保大手4社に対し7月に報告徴求命令を出し、情報漏洩の実態を調べている。

生保と代理店の関係を巡っては、代理店への便宜供与の調査も進行している。代理店が生保から広告費の名目で多額の金銭を受け取り、顧客のニーズに合っていない保険商品を勧めていた疑いが浮上していた。生保協は9月に加盟社に対し代理店への便宜供与についての調査票を送るなどして調査を進めてきた。

永島氏は「一部の保険会社で対応を見直す旨の回答もあった」とし、代理店出向のあり方について「今後金融庁とも議論しながら必要な対応をとっていく」と説明した。

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