埼玉県は30日、下水を処理する過程で発生した汚泥の燃焼灰を原料とする肥料を開発し、農林水産省が新設した規格「菌体リン酸肥料」として登録したと発表した。この規格の登録は全国の都道府県で初めてという。肥料の原料価格が高騰するなか、資源の有効活用につなげる狙いだ。

新たに登録した肥料は、クマムシなどの微生物を使う下水処理の過程で発生した汚泥を燃やし、発生した燃焼灰を利用する。農水省の規格に登録したことで他の肥料と混ぜての生産・販売が可能になり、同県は商品化を視野に肥料会社に利用を呼びかける。

県内の下水処理施設で発生する汚泥を活用した。汚泥はこれまで産業廃棄物として有償で処理していた。汚泥由来の肥料が普及すれば、県が目指す循環経済の実現につながるとしている。

日本は窒素やリン酸など肥料の主要原料の多くを海外からの輸入に依存している。ウクライナ危機などをきっかけに世界的に肥料価格が上昇しており、国内資源の有効活用が課題となっている。

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