9月25〜26日の両日、東京・新宿で同社初の商品発表会を開催した。「カインズ公式アンバサダー」の肩書を持つインフルエンサーらとメディア関係者を招待した。寸劇「くらし ららら劇場」は会場で演じられた。家族の日常を描いた約20分間の舞台を6人の劇団員やインフルエンサーが演じた。寝室、キッチンなどで敷布団がずれる、冷蔵庫の中が散らかるといった悩みをカインズのPB商品で解決する様子を描いた。
劇の冒頭、おじいさんに扮(ふん)する劇団員は「どうか力を貸してくれませんか」と客席の前列に座っている高家正行社長に声をかけた。園芸作業で疲れているおじいさんから剪定(せんてい)はさみを受け取ると、「軽い力で簡単に切れますね」と実際に使って機能をアピールした。
発表会のテーマは「リアルとデジタルの融合」。インフルエンサーに会場の様子や寸劇を撮影した動画をSNSで拡散してもらい、一般の顧客にも商品の良さを伝える狙いがある。
カインズは2023年にそれまで品目別で行っていたPB商品の開発体制を刷新した。生活のシーンごとに分けた8つのブランドチームで、生活の課題を解決する商品を開発している。同社は「生活は多様化し求められるシーンは様々。すべてのニーズに対応する商品開発を目指す」としている。
PB商品の22年度の売上高は開発を始めた07年度比で2.3倍に増えた。平均的な規模(約3千坪)の店舗で取り扱う商品のうち4分の1をPB商品が占める。
インスタグラムのカインズ公式アカウントが投稿した「すき間を埋めるキッチンマット」の紹介動画は投稿から10日で700万回再生を超えている。
これまで開発した商品は約6千品目を超え、既存商品のパッケージ変更も約1万2千品目で行ってきた。高家社長は「6千を超える商品の魅力を伝えるため店頭以外でのPR方法も模索していきたい」と話した。(宮月子)
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