防災イベントの会場には親子連れが目立った(16日、大阪府枚方市)

大和ハウス工業と大東建託は16日、大阪府枚方市のショッピングセンター「くずはモール」で防災イベントを開いた。両社は今春、防災分野で連携協定を結んでおり、関連イベントの開催は関西では初めて。拡張現実(AR)を活用した消化器ゲームや新聞紙を使ったスリッパづくり体験など、子どもでも遊びながら防災を学ぶことのできるしかけを用意した。

「ほら、火が消えてるよ」。同日くずはモール1階にあるイベントスペースで、親子が消火器の模型を片手に大画面に映し出された火事現場の様子をみながら歓声を上げていた。模型を手に持って動かすと、映像の中の炎が消えていく仕組みだ。消火器を使ったことがない子どもでも、ゲーム感覚で疑似体験することができる。

大和ハウス集合住宅事業本部の松居良充部長は「小さい子どもでも買い物ついでに防災を学べる。普段から防災意識を高めてほしい」と話す。

大和ハウスと大東建託のグループ各社は3月、防災分野で連携協定を締結した。両社の防災イベント「だい・ぼう・けん」はこれまで7月に横浜市、9月に名古屋市で開催しそれぞれ1000人以上が来場した。防災イベントは今後も年間2回ほど実施する計画だ。

防災イベントのほか、地震や台風などの災害時には各社が管理する物件の空き状況を共有し合い、被災者の仮住まいとして提供する計画だ。石川県能登地方で9月に発生した豪雨の際などには両社で検討を協議したものの、共同の緊急対策本部を設置した例はまだない。10月以降には複数回、対策本部を設置した後の対応を両社で訓練してきたという。

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