TDKが量産を始めた電子部品、インダクターの新製品

TDKは19日、電気信号のノイズを除去する電子部品、インダクター(コイル)の新製品を開発し、量産を始めたと発表した。新たに磁性材料のフェライトを開発するなどし、大きさを従来品より6割小さくした。インダクターは車載カメラの基板などに使われる。自動車部品メーカー向けに販売する。

自動車に搭載される先進運転支援システム(ADAS)では車載カメラと電源、電子制御ユニット(ECU)を1本の同軸ケーブルでつないでデータを伝送する動きがある。インダクターは車載カメラ基板に組み込まれる。不要な信号が車載カメラに入らないようにする役割を担う。小型化により基板の設計の自由度が上がり、軽量化にもつながる。

新製品は高電流にも対応する。従来は高電流になると除去する効果が85%低下していたが、新製品は40%の低下に抑えられる。高周波帯10ギガ(ギガは10億)以上にも対応する。

子会社のTDKエレクトロニクスファクトリーズ(秋田県由利本荘市)の大内工場(同)で11月から量産を始めた。サンプル価格は1個30円と従来製品より10円安くする。まずは月産2000万個の生産を予定する。2026年以降、より高電流や高周波数帯に対応するインダクターの発売を目指す。

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