日本製鉄は19日、買収を目指す米鉄鋼大手USスチールの従業員に宛てた声明を出し、海外で生産された鉄鋼は米国に輸入しないと約束した。日鉄の森高弘副会長名で、USスチールで働く全米鉄鋼労組(USW)の組合員に買収後も生産能力を縮小しないことをアピールした。

USWは14日、「彼(森氏)の目標は取引を成立させることで、産業や仕事を守ることではない」などと表明。日鉄は事実と異なるとして、今回声明を出した。

声明では、買収に反対するマッコールUSW会長との会談を求めており、返答を待っていると説明。森氏が今週、ペンシルベニア州ピッツバーグでUSW幹部やUSスチール従業員らと面会することも明らかにした。

買収を即座に阻止すると主張していたトランプ前大統領の返り咲きが決まり、買収の行方が一段と不透明になる中、日鉄は組合側の懸念払拭に苦心している。

日本製鉄本社が入るビルの前に掲げられた看板=東京都千代田区

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。