クボタは20日、海水を淡水化する技術を持つ米スタートアップのOceanWell(オーシャンウェル、カリフォルニア州)に出資したと発表した。海水を淡水化するには強い圧力をかける必要があり、消費電力の大きさが課題となっている。同社は深海に装置を設置することで、海中で自然に発生する圧力を利用する技術に強みを持つ。
出資額は明らかにしていないが、出資比率が小さい少額出資だという。世界的な人口増加もあり水不足が課題となっており、海水を淡水化して利用できるようにする技術に注目が集まっている。
現在主流の方式は海水を地上に引き上げてから、ポンプを使って強い圧力をかけることで塩分を除く水分子だけを取り出す仕組みだ。オーシャンウェルは水深約400メートルの深海に装置を設置することで、深海の圧力を活用するため消費電力を4割ほど削減できるとしている。
クボタは水道管やポンプ、バルブなどの製品を開発しているほか、自治体など水道事業者向けに施設の運営管理などの業務も担っている。ただ海水淡水化のような造水技術の知見は少なく、オーシャンウェルへの出資を通じて将来的な事業化を模索する狙いだ。
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