車のフロントガラスに情報を映し出す

マクセルは20日、清水建設と共同でダンプカーなど建設車両に後付けするヘッドアップディスプレー(HUD)「BM-Display」を使った安全対策に関する実証実験で効果を確認したと発表した。車のフロントガラスに危険な場所などの情報を表示し、工事現場での安全確保につなげる。2027年から29年にかけてBM-Displayの量産を目指す。

実証実験は7月から開始した。トンネルの工事現場で車両にディスプレーを搭載し、その効果を調べた。これまでは紙の地図やドライバーの記憶、標識などで現場の危険な場所を把握していた。フロントガラスに情報を映すことで、標識の見落としなどによる事故を防げると期待する。

マクセルはこのディスプレーの技術を、運送用のトラック向けにも応用する。7月にはNIPPON EXPRESSホールディングスと共同でディスプレーの試験を実施したと発表した。運送用のトラックでは運転している時間や距離などをフロントガラスに表示し、ドライバーの長時間労働を防ぐとしている。

マクセルによると、トラックなどはフロントガラスが地面に対してほぼ垂直に取り付けられていることが多く、従来のHUDだと垂直なガラスに情報を映し出しにくいという課題があった。マクセルは自社の光学技術を応用して、垂直なガラスにも情報を映し出せるようにした。

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