日本郵船は25日、産業廃棄物処理のオオノ開発(松山市)と検討中の、大型船舶を解体した鉄スクラップのリサイクル事業を2028年にも始めると発表した。オオノ開発が保有する愛知県知多市のドックを再整備し、年20隻を解体する世界最大規模の船舶リサイクル拠点とする。
世界の船舶解体量の国・地域で首位はバングラデシュ、2位はインドだ。両国で世界の解体量の約80%を占めるが、ガスバーナーなどによる人手の解体が中心で危険を伴っていた。日本郵船とオオノ開発の新拠点では大型の重機を多用して人の関与を最小限にする。ドッグの整備費用は明らかにしていない。
バングラデシュやインドでは1つの拠点で解体されるのは年2〜3隻という。日本郵船の片山潤一新規事業開発チーム長は25日の説明会で「世界最大の解体能力を目指す」と語った。
年約30万トン相当の鉄スクラップを再資源化する。日本の鉄鋼業界は脱炭素化のため高炉から電炉へのシフトが進む。船舶に使われる鉄は不純物が少なく再利用価値が高いとされ、高品質な鉄スクラップを鉄鋼業界などに提供する。
民間の商船だけでなく、海上自衛隊や海上保安庁などの船舶のほか、洋上風力発電設備といった大型の海上構造物を含めた幅広い解体ニーズを取り込む。
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