中国でスイッチの浸透は限定的だったもようだ(6月、上海市)

【広州=藤野逸郎】中国のネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)は26日、2026年に任天堂の主力ゲーム機「ニンテンドースイッチ」のネット関連サービスを打ち切ると発表した。ソフトのオンライン販売などを含む。テンセントと任天堂は提携して19年にスイッチを発売したが、中国はスマートフォンで遊ぶモバイルゲームが主流のため浸透させるのに苦戦してきた。

26年3月末にソフトのオンライン販売をやめ、同年5月15日にソフトのダウンロードもできなくなる。ネットで友人らとつながり一緒に遊んだり、ゲーム画面をSNSにアップしたりするネットを使ったサービスも同日に停止する。

一連のサービスを打ち切る代わりに、「マリオ」や「ポケモン」などの関連ソフト約10本のうち、4本を無料でダウンロードできるようにする。無料ダウンロードのサービスは27日午前から始まっており、26年5月15日まで提供する予定だ。

テンセントと任天堂は共同で、スイッチのゲーム機本体やソフトの販売を手がけてきた。しかし中国では、ネットを通じ友人らとつながって遊びやすいモバイルゲームが市場の約7割を占める。スイッチのような専用ゲーム機で遊ぶ人は限られている。

ソフトを発売するためには政府当局の認可が必要で、暴力的だったり政治的だったりすると判断されれば販売できない。ソフトのタイトル数を増やしづらい面もあり、スイッチは思うように浸透していない。テンセントも「王者栄耀」など多数の人気モバイルゲームを国内外で配信しており、スイッチ関連事業の優先度が高まらなかった可能性がある。

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