日銀が27日発表した今年度上半期の決算によりますと、ことし9月末時点で585兆4500億円余りの国債を保有していますが、時価で換算すると571兆7900億円余りで13兆6600億円余りの評価損となりました。

評価損の額はことし3月末時点の9兆4300億円余りから大幅に拡大し、比較可能な2004年度以降では最大になったということです。

日銀はこれまで大規模な金融緩和策のもとで大量の国債を買い入れてきましたが、ことしに入って利上げを進めた結果、長期金利の上昇に伴って国債の価格が下がり評価損が膨らんだ形です。

日銀は国債を満期まで保有するのが前提のため、時価での評価が決算に影響することはないとしています。

ただ、市場関係者が日銀の財務に懸念を持つような事態となれば、通貨の信認が崩れて円相場や金利に影響が出るという見方もあり、今後大規模金融緩和からのいわゆる「出口戦略」で、財務の健全性をいかに維持していくかが課題となります。

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