【マニラ=藤田祐樹】アジア開発銀行(ADB)は28日、次期総裁に日本政府が推薦した財務省前財務官の神田真人内閣官房参与を選出したと発表した。2025年2月24日付で就任する。1966年の設立以来、11代連続で日本人が総裁に就く。
浅川雅嗣総裁が25年2月に辞任すると発表したことを受け、ADBは後任総裁の立候補者を募った。立候補したのは神田氏のみで、11月27日まで信任投票を実施していた。69の加盟国・地域の全会一致で選んだ。神田氏の任期は浅川氏の残り任期である26年11月23日までとなる。
ADBはアジア・太平洋地域の途上国のインフラ支援や地球温暖化対策などの課題に取り組む。神田氏は国際金融の実務経験を生かし、民間資金の活用を含めて域内に投資を呼び込むと訴えた。
ADBの意思決定機関である総務会議長を務めるイタリア中央銀行のパネッタ総裁は「神田氏の豊富な経験と国際場裏での実績あるリーダーシップはADBの大きな力となる」と表明した。
神田氏は24年7月末までおよそ3年にわたって財務官を務めた。22年9月にはおよそ24年ぶりの円買い・ドル売りの為替介入に踏み切り「令和のミスター円」とも呼ばれた。
【関連記事】
- ・神田前財務官「民間資金呼び財政強靱に」 ADB総裁選
- ・アジア開銀総裁、神田氏を擁立へ 浅川氏は25年2月退任
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。