最新型のスズキ「KUPO(クーポ)」はハンドル位置を後ろへ移し人を乗せて押し歩けるようにした(浜松市)

スズキは開発中の小型電動モビリティー「KUPO(クーポ)」の最新型を地元・浜松市のイオンモール浜松志都呂で公開し、12月1日まで体験会を催す。KUPOでは足腰の弱い高齢者らがカート代わりに押して歩くことができ、座り乗りでより遠くへ移動することもできる。電動車いすの試乗や、公道向け4輪電動モビリティーの展示も行う。

歩くにはつらい遠くの場所へも「KUPO(クーポ)」に座り乗りして移動できる(浜松市)

イオンモールの来店客を対象に27日から体験会を始めた。KUPOの最新型は、従来型にあった折り畳み機構をなくしてシンプルにしつつ、座面の奥行きを5割ほど広げて座り心地を改善。前方には行き先を示すウインカー兼用のライトも新たに備え付け、利用者と周りの歩行者が互いに気を遣わずに行き交うことができるよう工夫した。

サイズはもともと電動車いす「セニアカー」より2割ほど小さかったが、最新型は全長を約10%短くしよりコンパクトにした。スズキによると、商業施設からは高齢者が利用でき他の客にも邪魔にならないよう、セニアカーより小さな屋内向けモビリティーが求められているという。会期中100人以上に体験してもらい、開発の方向性を探る。

会場ではセニアカーも試乗できるほか、ジャパンモビリティショー(旧東京モーターショー)に参考出品した4輪型の特定小型原動機付き自転車「スズライド」「スズカーゴ」も展示する。公共交通が不足し運転免許返納も増えるなか、学生からお年寄りまで個人が手軽に扱えて環境にも優しい電動モビリティーの認知度を高めたい考えだ。

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