原子力発電環境整備機構(NUMO)は30日、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定の第1段階に当たる「文献調査」を実施した北海道寿都町で住民説明会を開いた。説明会は、NUMOが11月22日に調査報告書を北海道と調査地となった同町、神恵内村に提出して以降初めて。住民からは不安や疑問の声が上がった。

報告書は、活断層や火山など過去のデータから処分場建設を「避けるべき基準」に該当する場所は確認されず、町全域が第2段階の「概要調査」に移行可能とした。参加者からは「なぜ(同町での)説明会が1回なのか」との不満が出たほか、専門家が避けるべき火山と指摘した町北東部の磯谷溶岩への評価を重視すべきだなどの意見があった。

説明会終了後、記者団の取材に応じたNUMOの坂本隆理事は「町民の不安や心配を改めて肝に銘じる」と語った。NUMOは来年2月中旬にかけ、神恵内村や道内各地で説明会を開く。概要調査に進むには、知事や町村長の同意が必要だが、北海道の鈴木直道知事は反対姿勢を示している。

「文献調査」の報告書について、原子力発電環境整備機構(NUMO)が開催した住民説明会=30日午後、北海道寿都町

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。