従来の健康保険証の新規発行が2日から停止された。マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」への移行を踏まえた対応。今後の医療機関の受診では、マイナ保険証の有無などで留意すべき点もある。一方、マイナ保険証の利用率は低迷しており、厚生労働省などが普及に取り組んでいる。
- 三つのケース、留意すべきこととは……
- 【そもそも解説】なぜ「マイナ保険証」に移行するの?
従来の健康保険証は、2日以降は新規発行されない。だが、発行済みの健康保険証は、有効期限が切れるまでこれまで通りに使える。有効期限が示されていない保険証が使用できるのは2025年12月1日までだ。
マイナ保険証を持っていない人らには、従来の保険証の期限が切れる前に「資格確認書」が自動的に送られてくる。従来の健康保険証と同じように利用できる。マイナ保険証を持っている場合で、12月2日~25年7月31日の間に75歳になる人と、同じ期間に公的医療保険の資格情報が変更となった75歳以上の人についても、資格確認書が自動的に送付される。
相次いだ問題……
マイナ保険証をめぐっては、これまで問題が相次いだ。
2023年5月にマイナ保険証に別人の情報がひもづけられていた事例が発覚。政府が1億6千万件分のデータを点検した結果、判明した情報のひもづけ誤りは、9223件。窓口で負担割合が違って表示されるトラブルも2万1574件が確認された。いったん10割を請求される例もあった。
マイナ保険証のひもづけ誤りについて、政府は、保険者(会社の健康保険組合など)が、データ入力を誤ったことなどが原因と分析。負担割合が違って表示されるトラブルもシステムの仕様などによって起きたものだとわかった。
いずれの問題も、事務処理のマニュアルを作成して保険者に周知したり、定期的に誤りをチェックする仕組みを導入したりするなどの防止策がとられている。
ただ、利用者は大きく増えていない。
マイナカード保有者(約9400万人)の約8割にあたる約7600万人が、マイナ保険証としての利用を登録済み。だが今年10月時点の利用率は15.67%。1年前の4%台と比較すると増えているが、いまだ一部に限られている状況だ。
厚労省が8月、マイナカード保有者2千人に実施したマイナ保険証に関するインターネット上のアンケートでは、39.5%の人が「個人情報がまとまって管理されることが不安だ」と回答。38.4%が「持ち歩いて紛失してしまわないか心配だ」と答えた。
厚労省はマイナ保険証の普及に向けた取り組みを続けている。ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/mainahokensho/campaign2024/)などで使い方やメリットを紹介している。
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