三越伊勢丹ホールディングス(HD)など百貨店大手4社が2日発表した11月の既存店売上高(速報値)は、全社が前年同月比で増収だった。11月中旬以降は気温が低下したことでマフラーやセーターなど秋冬向けの衣料品や雑貨が伸びた。ラグジュアリーブランド品や時計・宝飾品といった高額品も好調を維持した。
三越伊勢丹は10.4%増、高島屋は8.4%増だった。J・フロントリテイリンググループの大丸松坂屋百貨店は7.6%増え、エイチ・ツー・オーリテイリンググループの阪急阪神百貨店は5.8%増えた。大丸松坂屋では松坂屋名古屋店(名古屋市)の改装も売り上げを押し上げた。
気温の高い日が続いた10月は秋冬物の衣料品が苦戦したが、11月は気温が低下し持ち直した。高島屋ではマフラーやストールなどを含む婦人雑貨が10.0%伸びた。日本橋三越本店(東京・中央)でもブルゾンが40.6%増えたほか、婦人ジャケットも22.8%増となった。高額品も好調で、阪急本店(大阪市)では宝飾品やラグジュアリーブランドのバッグといった100万円以上の商品の売上高が約2割増えた。
インバウンド(訪日外国人)消費も堅調だった。11月の免税売上高は阪急阪神百貨店で約4割増、大丸松坂屋は31.9%増、三越伊勢丹は30.7%増、高島屋は29.9%増だった。引き続き高額品や化粧品が人気を集めた。
大丸松坂屋ではおせちの受注が前年を上回るペースで推移するなど、年末年始の消費拡大にも期待が高まっている。
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