奈良県宇陀市への拠点開設を検討している北欧エストニアのスタートアップ、クレボンのサンダー・セバスチャン・アグール最高経営責任者(CEO)が2日、同市の視察後に記者会見した。同社は自律走行配送ロボットを手掛ける。アグール氏は「実証実験などを検討するうえでいい素材がそろっている。日本での展開にあたって宇陀市が起点となりうるイメージがより明確になった」とし、進出に前向きな姿勢を示した。
宇陀市とクレボンは2024年1月、同市への日本拠点開設に向けて協力する覚書を結んでいる。アグールCEOは日本での事業展開に向けて①自律走行ロボットのサービス展開と拠点②製造ラインの整備③製造やサービス展開に必要な人材育成・教育――の3つの柱の長期ビジョンを説明。「小さな街からスタートアップが羽ばたいていくストーリーに共感してくれる仲間が集ってくれることも大事」と期待した。
宇陀市やクレボンなどは、エストニアでロボット工学を学べる3年間の日本人向け留学プログラムを25年9月に開講する。担当するクレボンのライドー・バルドヴィー氏は、3年間で多くを履修する密度の濃いカリキュラムになるとしたうえで「失敗を恐れず、できた時の可能性の大きさを考えて挑戦してほしい」と呼びかけた。
同市は3日夜に「クレボンとつながろう!」と題したイベントを奈良県橿原市のすみれホールで開催する。学生や社会人らを対象に、アグールCEOらも参加する説明会や交流会を通じてクレボンアカデミーについて知ってもらう。年明けには入学に向けたスケジュールの発表を予定している。
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