自動車や電機など主要製造業の労働組合が加盟する金属労協は3日、2025年の春季労使交渉で賃金を一律に引き上げるベースアップ(ベア)を月額1万2000円以上とする要求方針案を発表した。過去最高額だった24年(1万円以上)を2割上回る。物価上昇の対応へ高水準の賃上げ要求が必要と判断した。
3日午後の協議委員会で正式決定する。ベア要求は12年連続で、1万2000円は4%程度の引き上げに相当する。
協議委員会に先立ち記者会見した金属労協の金子晃浩議長は「日本経済の好循環の安定や、働く者にとっての安心感を提供できるかどうかの分岐点に立っている。金属労協が先頭に立って引っ張っていきたい」と話した。
金属労協は自動車総連、電機連合、基幹労連、ものづくり産業労働組合JAM、全電線の5つの産別労組で構成し、約200万人の組合員を抱える。24年交渉の獲得実績は7月時点で9055円と、23年の獲得額(5391円)から68%増えていた。
金属労協の要求水準は、傘下の労組が個別の会社に要求する金額の目安になる。今後は自動車や電機、鉄鋼業界などで具体的な要求水準づくりが本格化する。
労働組合の中央組織である連合は10月、25年交渉で全体の賃上げ率を24年と同じ「5%以上」、中小は「6%以上」とすると発表した。金属労協の傘下ではJAMが25年交渉でベアの要求基準を1万5000円以上とする方針を固めている。
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