高島屋は3日、大阪の堺店(堺市)を2026年1月7日に閉店すると発表した。少子高齢化で地方の百貨店は今後大きな成長が望みにくい。インバウンド(訪日外国人)客などが好調な全国の主要都市の店舗に経営資源を振り向けることで収益力を引き上げる。高島屋の地方店閉鎖は24年7月末の岐阜店(岐阜市)以来となる。
堺店は1964年10月に開業した。駅前立地で利便性は高く、食品売り場改装や大型のテナント誘致などを進めて約60年営業を続けている。ただ小売り間の競争激化で21年2月期から24年2月期まで4期連続の営業赤字を計上。同期の売上高は約103億円(百貨店部分のみ)となっている。
今後の黒字化のめどがたたないことから建物の賃貸借契約満了に伴い閉店することにした。同店の従業員約160人(11月末時点)の配置転換などで対応し雇用は維持する。
高島屋は国内で東京をはじめ全国に13店を展開している。大阪には堺店のほか、旗艦店の大阪店(大阪市)、泉北店(堺市)がある。
全国主要都市の百貨店は訪日客や富裕層の高額消費で好調な一方、地方店は回復が遅れている。新型コロナウイルス禍による客数減の影響もあり地方の百貨店は閉店が相次いでいる。これまでに山形、徳島が日本百貨店協会に加盟する店がなくなる「百貨店ゼロ」県となり、24年は島根県や岐阜県もゼロ県となった。
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