1日のニューヨーク外国為替市場では、FRBのパウエル議長が金融政策を決める会合のあとの記者会見で、「次に政策金利が引き上げられる可能性は低いと考えている」などとと述べたことを受けて、FRBがインフレを抑え込むためにさらなる利上げを行うことへの警戒感が和らぎました。
このため、日米の金利差が当面、拡大しないという見方から、円を買ってドルを売る動きが出て、会見の最中に円相場は一時、1ドル=157円台前半まで値上がりしました。
パウエル議長の会見のあと、円相場は一時、1ドル=157円台半ばまでやや値下がりしましたが、日本時間の2日午前5時すぎには一転して円高方向に大きく振れ、1ドル=153円ちょうどまで4円以上値上がりしました。円相場はその後も荒い値動きとなっています。
市場では、日本政府・日銀がドル売り円買いの市場介入を行ったのではないかとの見方が出ています。市場関係者は「パウエル議長の記者会見の後というタイミングで円高が急速に進み、多くの投資家が不意をつかれた形となった」と話しています。
このほか、ニューヨーク株式市場はパウエル議長の発言を受けて買い注文が増え、ダウ平均株価は前日に比べて一時、500ドルを超える大幅な値上がりとなりました。しかし、その後は、パウエル議長が利下げには慎重な姿勢を見せたことなども背景に値上がり幅が縮小し、終値は前日に比べて87ドル37セント高い3万7903ドル29セントでした。
為替の動きについて、現時点で財務省など日本の通貨当局からの正式な発表はありません。
財務省 神田財務官「ノーコメント」
外国為替市場で円相場が一時、1ドル=153円ちょうどまで値上がりしたことについて、財務省の神田財務官は「ノーコメントだ」と述べました。
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