神戸酒心館は阪神大震災直前に仕込んだ30年熟成の日本酒を発売する

日本酒「福寿」の蔵元、神戸酒心館(神戸市)は1995年の阪神大震災当時に仕込んだ大吟醸酒を限定5本発売する。2025年で震災から30年を迎えることに合わせた。価格は1本(720ミリリットル)100万円で、10日から同社サイトで購入申し込みの受け付けを開始する。売り上げは震災学習や防災教育を手掛ける団体に全額寄付する。

商品名は「福寿 復興の一滴」。兵庫県産の山田錦を使い、1994年12月に仕込んだ。長期間低温で熟成させたことで「円熟味のある香味で、まろやかな味わい」(同社)だという。

神戸酒心館は阪神大震災で大きな被害を受けた(同社提供)

兵庫県の神戸市から西宮市にかけて酒蔵が集積する「灘五郷」は、震災の被害が大きく、神戸酒心館でも酒蔵が倒壊するなど「一時は事業継続が危ぶまれる状況だった」(同社)という。

安福武之助社長は「今年1月に返済を終えた(制度融資の)『高度化資金』を含め、多くの方の支援を受けて再起できた。当時を知らない世代が増えるなか、地域の防災力を高めるため防災教育などの活動に寄付することにした」と話している。

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