帝人はブロックチェーン(分散型台帳)を使い、生産履歴を証明するシステムを手掛けるオランダのサーキュライズに出資したと発表した。同社のシステムを帝人が製造する高機能繊維などに適用できるか検証する。素材のリサイクル推進に活用する。
出資比率や出資額は非開示としている。サーキュライズのシステムはブロックチェーンにより、生産履歴の信頼性を保ちつつ、取引先によって開示情報を変えることができる。これまで旭化成や丸紅などが出資している。
例えば、素材の組成などを全て開示しなくても、リサイクルに必要な情報だけを閲覧できる。組成から製法を類推されるリスクを抑える。供給網全体で二酸化炭素(CO2)の排出量を把握する場合にも役立つ。
欧州では、循環型経済の実現に向けて、どのような素材を使って生産されているか、どのように使われ、廃棄されたか網羅的に把握する動きが広がる。帝人はタイヤの補強材や光ファイバーケーブルなどに使われるアラミド繊維でサーキュライズのシステムを試験的に導入する。材料を再利用するサーキュラーエコノミー(循環経済)に対応する。
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