【シリコンバレー=渡辺直樹】米グーグルのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は4日、米司法省が検索サービスをめぐる独禁裁判でグーグルの解体を求めていることについて「司法制度を深く信頼している。自分たちの主張の正当性を訴え、人工知能(AI)の革新に集中していきたい」と述べた。
ピチャイ氏は4日、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が主催するイベント「ディールブック・サミット」の対談に参加した。米連邦地裁で一審判決が出た独禁裁判について初めて公の場で自らコメントした。
米連邦地裁は8月、グーグルの検索サービスが反トラスト法(独占禁止法)に違反しているとする判決を出した。原告側の国を代表する司法省はグーグルのウェブ閲覧ソフト「クローム」の売却などの厳しい是正措置を裁判所に求めている。
ピチャイ氏は世界シェア9割を握る検索事業はあくまで他社に先駆けた技術革新によって築いたものだと主張し、消費者利益を守っていくことが重要だと主張した。
裁判への対応については「とても複雑で、有能なチームが対応している」と述べ、「規制当局と関わることは私の重要な職務だが、大半の時間は製品の革新に費やしている」とし、AIを中心とする開発戦略に注力していく姿勢を示した。
独禁裁判は2025年1月に発足するトランプ新政権の意向が影響するともみられている。ピチャイ氏はトランプ氏との会話の中で「AIを含む技術分野でアメリカの競争力を非常に重視している」印象を受けたと明かした。「AIの制約となっているインフラ構築とエネルギー分野で進展があることを望んでいる」と期待感を示した。
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