万博会場で建設が進む木造の「大屋根(リング)」=大阪市此花区で2024年3月8日、本社ヘリから西村剛撮影

 大阪府と大阪市は12日、2025年大阪・関西万博が府内にもたらす経済波及効果が1兆6182億円に上るとの試算結果を公表した。経済産業省は3月に国全体への効果を2兆9155億円と発表しており、その5割超を大阪府が占める計算になる。

 万博を巡っては、会場建設費が当初の1250億円の1・9倍にあたる最大2350億円に膨らんだほか、運営費も当初の1・4倍の1160億円に増額された。府市はこうした負担増への懸念を受け、初めて経済効果を試算した。

 試算の前提は、会場建設費を含む建設投資3537億円▽日本国際博覧会協会(万博協会)や出展者らによる運営・イベント費用3490億円▽来場者消費7050億円――。一方、経済効果は、建設投資分が5732億円▽運営・イベント分が3233億円▽来場者消費分が7217億円――の計1兆6182億円となった。

 府市は万博で負担する費用を1325億円としており、吉村洋文府知事は「コストもかかるが十分効果がある」と強調した。【井上元宏、長沼辰哉】

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