クスリのアオキホールディングス(HD)は5日、東北や関西地盤のスーパー3グループを傘下に収めると発表した。クスリのアオキHDは事業拡大に向け各地でスーパーの買収を進めている。人口減や人件費など経費の増加に苦しむ地方の小売業の受け皿になっている。
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関西地盤のハッピーテラダ(大津市)とヨシムラグループ(奈良市)に加え、東北地盤の伏見屋(秋田県仙北市)を中心とするグループが新たに傘下に入る。3グループが保有する計61店舗を、順次クスリのアオキHDの店舗に切り替える。
自前で店舗を増やしてきたクスリのアオキHDだが、2020年に金沢市の地場スーパー、ナルックスを買収したのを皮切りにM&A(合併・買収)を積極化している。これまでに10以上の小売グループを傘下に収めた。買収をテコに東北や関西、四国でも店舗を広げ、25年5月期中には1000店を超える見通しだ。
クスリのアオキHDの青木宏憲社長は「地場スーパーのM&Aが成長戦略の核になりつつある」と語る。店舗に向く立地が少なくなる中、買収は時間をかけずに出店場所を確保できる利点がある。
地方のスーパーにもメリットがある。人件費などのコスト高、物価高による消費マインドの冷え込みなど課題は多い。傘下に入ったある企業は「1社で経営していくには事業環境が厳しい」と漏らす。今後も収益の悪化や後継者難に悩むスーパーが、同社の傘下に入る事例が増えそうだ。
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