「オープンギャラリー」では現代アートを中心に約75点を展示する(名古屋市)

松坂屋名古屋店(名古屋市)は10日、改装中の本館8階の美術フロアを開業した。国内百貨店では初めてのアート専用のフロアとなる。売り場面積を2.5倍に拡大し、260点以上の絵画などを展示し年間で約170の企画を予定する。アートの要素を盛り込んだカフェも併設する。開放的な空間で気軽に立ち寄れるように工夫し、若年富裕層を掘り起こす。

本館8階のフロア名は「ART HUB NAGOYA」。「東海エリアのアートマーケットのハブに」をコンセプトに、多様なギャラリーを設置する。「オープンギャラリー」も新設し、現代アートを中心に約75点展示する。

1650万円の屛風も展示する

絵画が中心の第一画廊、工芸を展示する第二画廊は移設・拡大しリニューアルした。巨匠作家や地元作家の個展や企画を展開する。第一画廊には当フロア最高額となる1650万円の屛風も用意した。

若手作家の作品を取り扱う八犬堂(東京・港)は、常設ブースとなる「ギャラリーアルファ」を東海地区で初めて展開する。10日からは愛知県出身の作家の展示を実施する。

学生スタートアップが手掛けるギャラリー「アトカケアートラボ」は若手作家の支援プログラムも始める

東海地方の地元作家の育成を目的としたギャラリーもある。岐阜や名古屋の大学生や大学院生を中心に結成された学生スタートアップが手掛けるギャラリー「アトカケアートラボ」は松坂屋名古屋店と連携し、若手作家の支援プログラムも始める。

支援プログラムでは、若手作家に必要な知識などを提供する全5回のワークショップでキャリア形成を後押しする。ピッチコンテストの優秀者には松坂屋名古屋店で個展を開催することもできるという。

カフェ「ユ二イク」はビーツを使用したピンク色のカレーも用意する

同フロアにはカフェ「ユ二イク」も設置する。名古屋市大須にある人気のカフェが手掛ける、アートがテーマの新店舗で、店内には壁画アートなども設置する。メニューには赤色が特徴の野菜、ビーツを使用したピンク色のカレーも用意する。価格は1800円。

美術フロアの改装で同店の第1弾のリニューアルオープンが出そろった。本館3、4階は若者に人気の高級カジュアルブランドを揃えた。北館地下1階ではレストランを一新し酒の取り扱いを中心とした。酒の店舗と松坂屋名古屋店との外商の連携も実施する。

松坂屋名古屋店の外観でもアートを打ち出した

残りのフロアは2025年秋までに順次オープンする予定だ。屋上を46年ぶりに全面改装するほか、家具やインテリアなどを扱う本館7階もリニューアルする。北館6階の高級サロンも開業を予定するなど改装は続く。

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