記者会見する山中代表(右)とタレントのギャル曽根さん(11日、東京都港区)

ウーバージャパン(東京・港)は11日、未成年者向けの安全機能を搭載したタクシー配車の新サービスを始めたと発表した。保護者のアカウントと連携させることで、これまでアカウントを作れなかった未成年も利用できるようにする。共働き世帯が増える中、移動中の位置情報を共有するなどして習い事などに向かう保護者の送迎負担を軽減する。

新サービス「Uber Teens」(ウーバーティーンズ)は13〜17歳が対象で同日から始動した。海外では2023年に米国で始まり、約40カ国で導入されている。東京や大阪など11都道府県で始める。料金は通常の配車サービスと変わらない。未成年のアカウントは保護者の招待を受けてから作れる。

未成年に特化した対応として間違った車両に乗り込まないよう、乗車時に利用者側に届く暗証番号をドライバーに伝えてから発車する仕組みをとる。乗車中の車内音声が録音されるほか、過去の利用者による評価が高い運転手にのみに配車通知が届くようにした。

未成年の利用者がアプリで配車依頼をした際は連携する保護者のアカウントに通知が届き、乗車中もリアルタイムで位置情報を取得できる。利用しすぎることを防ぐため、月間で使える上限金額も設定できる。

未成年者にもサービスを拡大する背景についてウーバージャパンの山中志郎代表は「共働き世帯が増えている中、保護者の方が仕事と生活を両立できるよう時間の余裕を提供できる。10代の移動需要と保護者の負担軽減の両方に貢献していきたい」と話す。

子供の習い事において保護者が負担と感じることに送迎がある。ベネッセコーポレーション「小学生の習い事調査2024」によると、習い事をしていて保護者が直近1年間で負担や不安に感じることについて「送り迎え」が20%で、「費用がかかること」(25%)に次いで多かった。

ただウーバーではこれまで安全上の理由から18歳未満はアカウントを作ることができなかった。未成年者のみでの利用が疑われる場合、運転手は乗客の身分証明書を確認を求めてきた。未成年と判断した際は運転手により配車をキャンセルすることも可能だ。

配車アプリ各社の未成年者利用の対応は分かれている。配車アプリ大手のGOやS.RIDEは利用規約で未成年者の利用は親権者などの法定代理人の同意を得た上で利用できる。ただ、未成年の利用にあたっては特段サービスの制限などはない。

新サービスが導入されたタイミングについて山中代表は「全社で世界的に統一の安全基準があるなか、日本での展開を見据えてシステムを作り込んできた。通常のタクシー利用が増え、事業環境が整ったため提供を開始することにした」と語った。

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