航空大手2社の2024年3月期連結決算が2日、出そろった。日本航空の純利益(国際会計基準)は、前期比約2.8倍の955億円。経済活動の正常化に伴って旅客収入が拡大、インバウンド(訪日客)の増加で国際線も好調だった。ANAホールディングス(HD)とともに増収増益を確保し、コロナ禍からの回復が鮮明になった。
日航の売上高に当たる売り上げ収益は20.1%増の1兆6518億円。国際線の旅客収入はコロナ禍前を上回り6223億円に達した。25年3月期も旅客収入が拡大、売り上げ収益は16.8%増の1兆9300億円、純利益は4.7%増の1000億円を見込む。
斎藤祐二副社長は2日の記者会見で、コロナ禍の不振を脱したことに「安堵(あんど)している」と発言。一方、円安による国内発の国際線需要の伸び悩みには、「いろいろな対応策をやっても(需要が)戻りにくい」との認識を示した。
ANAHDが4月26日に発表した連結純利益は、75.6%増の1570億円と過去最高を更新。傘下の全日本空輸で国際線旅客収入が68.0%増の7281億円となり、初めて国内線の旅客収入(6449億円)を上回った。25年3月期はコロナ禍で抑制してきた整備費の増加や人材投資などが響き、純利益は3割減の1100億円にとどまる見通しだ。
東京・羽田空港に駐機する日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)の航空機(AFP時事)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。