米モデルナは25年に再び成長軌道に戻ることを予想している=ロイター

【ニューヨーク=吉田圭織】米製薬モデルナが2日発表した2024年1〜3月期決算は、最終損益が11億7500万ドル(約1800億円)だった。前年同期は7900万ドルの黒字だった。売上高は1億6700万ドルと前年同期と比べ91%減った。新型コロナウイルスのワクチンの販売が減り続けており、同社は新薬の展開や開発に急いでいる。

1〜3月期の1株当たり損益(EPS)は3.07ドルだった。売上高と1株当たり損益はいずれも市場予想を上回った。同社の唯一の製品である新型コロナワクチンは秋や冬に接種する人が多いため、1〜3月期は低かったという。

ステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は2日の投資家向け説明会で「23年11月には財務規律に重点をおいていくと伝えたが、1〜3月期にチームが実現できたコスト削減には満足している」と話した。1〜3月期には運営費や研究開発費、販売費などのコストを8億ドル近く23年10〜12月期に比べて削減できたと話した。

24年12月通期については、40億ドルの売上高見通しを据え置いた。同予想には米食品医薬品局(FDA)に24年半ばにも承認される見通しの呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染症向けワクチンの売り上げ予想も含む。だが、コロナとRSVワクチン接種は秋と冬に多いことから、これら製品の売上高は24年前半には3億ドルにとどまると予想している。

モデルナは新薬の展開を通じて25年に再び成長軌道に戻ることを予想しており、26年には損益均衡を目指す。25年には新型コロナとインフルエンザの混合ワクチンの承認も目指す。

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