西武ホールディングスは12日、赤坂プリンスホテル跡地に建設した複合ビル「東京ガーデンテラス紀尾井町」(東京・千代田)を米投資ファンドのブラックストーンに約4000億円で売却する。2025年3月期通期の業績見通しも上方修正する。
東京ガーデンテラス紀尾井町は赤坂プリンスホテル跡地に約1040億円を投じて再開発し、2016年7月に開業した。オフィスや住宅を併設し、上層部にはプリンスホテルの最高級ブランドとなる「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」が入る。
西武HDは5月に公表したグループの長期戦略で不動産事業を成長の中核と位置づけた。不動産を長期保有して安定した賃料を得る従来のビジネスモデルに加え、保有不動産に付加価値を乗せて売却し、流動化で得た資金を新たな開発に充てる「回転型ビジネス」にも軸足を置くとした。売却の対象に東京ガーデンテラス紀尾井町も含まれていた。
売却して得た資金などを活用し24〜35年度に約1兆8000億円の設備投資枠を設けている。高輪や芝公園などの都心再開発に約6000億円、リゾート開発などに約700億円を充てる。西武HDは不動産事業をけん引役として、35年度までに連結営業利益を1000億円以上(23年度比で約2.1倍)に引き上げる経営目標を掲げている。
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