井関農機は12日、空から肥料や農薬を散布する農業用ドローンを販売すると発表した。NTTグループ子会社が製造するドローンに、土壌の状態にあわせて肥料の散布を制御するシステムなどを搭載する。過剰な農薬や肥料の使用を防ぎ、コストや環境負荷の低減を後押しする。
2025年3月ごろから発売する。主に大規模農家向けに販売し、作業が難しい山間部などでの利用を想定する。
ドローンには衛星画像から農作物の生育状況を分析し、収量などのばらつきを示したマップを連携させる。そのデータから自動で散布する肥料の量を制御する。肥料などのコストを低減しながら、土壌の状態を均一化して収量の向上を図る。
NTTイードローンテクノロジー製のドローンを採用した。日本の法規制に適応しているため導入のハードルが下がると期待される。機体の重さは6キロほどで、肥料や農薬を入れるタンクを簡単に付け替えられる設計にした。
同社はこれまでもセンサーで土壌の深さや状態を検知し自動で施肥量を調整する田植機を発売するなど技術の開発に取り組んできた。今後も農業人口は減少すると見込まれることから、デジタル技術を利用した製品を拡充し省人化のニーズに対応する。
12日に行われた新製品発表会では、ドローンとあわせて水田の雑草を抑制するロボットやトラクタなどを発表した。冨安司郎社長は「環境負荷を低減する技術で付加価値を提供し、先端技術製品の売上高を拡大させていきたい」と話した。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。