政府・与党は13日、防衛力強化のため、2026年4月から法人税とたばこ税を増税する方針を固めた。一方、所得税の増税時期の決定は見送った。政府・与党は、増税に反対する国民民主党の出方を見極めながら、12月中に取りまとめる25年度税制改正大綱への明記を目指す。
自民、公明両党の税制調査会長が協議を重ね、2税の増税を先行させることで一致した。所得税については、公明側が所得税がかかり始める「年収103万円の壁」の引き上げによる減税との整合性を問題視しており、増税開始時期の決定を見送ることを決めた。
政府は防衛力強化のため、法人、所得、たばこの3税を段階的に増税し、27年度までに1兆円超を確保する方針を決めている。法人税は税額に税率4%を付加する防衛特別法人税(仮称)を26年4月に新設する。たばこ税も26年4月に加熱式たばこの税率を引き上げて、紙巻きたばことそろえる。そのうえで、たばこ全体の税率を29年4月まで3回にわけて1本当たり計1・5円引き上げる。
増税時期の決定を見送った所得税について、政府と自民党は、27年1月から税額に1%を付加する防衛特別所得税(仮称)を新設する方針を示していた。復興特別所得税の税率を1%引き下げるため、税率は変わらないが、課税期間が延長されるため事実上の負担増となる。
政府は22年末に決定した税制改正大綱で、増税開始を「24年以降の適切な時期」と記していた。「27年度に向けて複数年かけて段階的に実施する」ともしており、26年度からの増税開始を今年末までに決断できるかどうかが論点となっていた。
今後、与党は衆院選で躍進した国民民主との調整に入る。国民民主は税収の上振れ分などで防衛費を確保すべきだと主張し、増税には反対の立場だ。一方で自公との税制協議の重点項目に防衛増税は含まれていない。【杉山雄飛、小田中大、古川宗、野間口陽】
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